Geek Women Japan 2016へ行ってきました
イベントページ: | http://geekwomenjapan.github.io/conference2016/index.html |
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経緯
このイベントのことはTwitter経由で知り,「面白そう」という理由で参加しました. ちょうど自由に動ける祝日だったし, 久々の勉強会ということで気分転換に出掛けてきました.
忙しくなって勉強会に行かなくなったことや社内の環境の関係で, 普段は女性エンジニアと対面で話す機会は皆無です. 女性エンジニアがどんなことを考えたり思ったりするのかを知りたいな, なんてことを考えながら会場へ向かいました.
ちなみにGeek Women Japanという団体での「女性エンジニア」の定義は 「技術をたしなんでいる、自分は女性であると思っているすべての方」だそうです (http://geekwomenjapan.github.io/index.html#definition). この記事での「女性エンジニア」の定義もこれに倣うことにします.
参加したセッション
女性エンジニアとして何を考えているのかという話が聞けそうなセッションを聞いてきました.
- opening・スポンサーLT
- Keynote
- ポスターセッション
- 29歳の私が色々な人に聞いてみた『ちょうどいい働き方』 〜ところで、お仕事は好きですか?〜
- 女性エンジニアの新しいキャリアパス~ホワイトハッカーという選択肢~
- スポンサーLT・closing
opening・スポンサーLT
openingはGeek Women Japan 2016の説明や諸注意など. 男女の区別無く開発者は朝に弱いようで, 講堂の埋まり具合がちょっと寂しかったです.
スポンサーLTはOisixさんとクラスメソッドさんによる会社紹介でした. Oisix さんの社名は初めて聞いたのですが, 美味しい食卓ができるサービスをしている会社です. スポンサーとして野菜ジュースを提供されていて, 濃厚な味で美味しかったです(^-^) 仕事でクラウドを使ったりしていたので, クラスメソッド さんの名前は知っていましたし, ブログ も何度か読んだことがありました. 会社説明会を開いているという情報が収穫としてありました.
Keynote
Keynoteはご存知GitHubさんから2人発表されていました.
タイトルは タイムテーブル を見ていただくとして, どちらも「女性への攻撃」を切り口にしたコミュニティ運営の話でした.
Junko Suzukiさんの発表はカテゴリー化から話を展開していって, 女性への攻撃に見えているものは実は少数派への攻撃だという分析に辿り着きます. 現在たまたま女性が少数派だから女性への攻撃が起きているのであって, 女性でない人もひとたび少数派になれば攻撃される可能性があるのです.
Danielle Leongさんの発表でも, 女性によるPRだった場合マージされにくいだとか, サービスの機能 (issueやレポジトリ名) を使った嫌がらせがあるだとか, 自分にとって衝撃的な内容が語られていました. そういうよくない行動に対しGitHubさんは, 良い行動を促すツールを開発していったそうです.
自分でもつい口走ったことが誰かを傷付けていることはあるだろうから, 意識を緩めずに気を配っていきたいです.
(この文章を書いているときに, ふと, 先週観た『聲の形』という映画を思い出しました. とてもいい映画なので映画館で観てみてください.)
ランチ
周囲の男女比がどうであろうとぼっち体質の自分は適当にベンチでパン食べていました. 気ままに会場周辺を散歩したり, 各施設を覗いてどんなイベントをやってるのかを見たりしてました. オリンピック記念青少年総合センターというところは, 都心にあるわりに過ごしやすいところなのでまた遊びに行きたい場所となりました.
ポスターセッション
今回一番楽しみにしていたのがPyLadiesのポスターセッションです.
Python使いの端くれとしては, PyLadiesが普段のイベントで何をしているのかは気になっていたので話を聞いてきました. 小規模でもいいから定期的な活動を継続させるよう頑張っていて, コミュニティが消滅しないように気を配っているのを感じました. お隣のLadies++ (女性C++erのコミュニティ) でもそうでしたが, まず居場所があることが大事と考えていました. 確かに一度消滅してしまったコミュニティを復活させるのはすごく労力が要ることなので継続は大事ですね. (色々思い当たるところがある……)
PyLadiesのブースには自然とPythonistaが集まってきますが, そこでPythonistaとのつながりが増えたのは思わぬ収穫でした. こういうときの自己紹介として「PyCon JP 2011のスタッフと発表者やった」とか 「Python公式ドキュメントの翻訳している」というのは便利ですね.
「Python公式ドキュメントの翻訳は, 若い人でもやりたい人はいるだろうからもっと呼び込むべきだ」というアドバイスをもらってきました. 確かに世代交代し続けないと, さっきのコミュニティの話ではないですが, 自然消滅する可能性が上がってしまいますしね. Python HackathonやPyCon (のSprint) などで呼び掛ける計画を考えてみます.
29歳の私が色々な人に聞いてみた『ちょうどいい働き方』 〜ところで、お仕事は好きですか?〜
このセッションは「女性が活躍するってどういうこと?」という疑問からスタートしましたが, 特に性別は関係無く「仕事にどう取り組むのか」という話になっていきました. 仕事への取り組み方は, 仕事だけを見ていても決められるわけではなく, 自身の年齢や家庭や自分の時間などの生活環境も含めたバランスで決まってきます. そのバランスをどう設計・運用していくかを考えること自体には性別は関係無いのです. (もちろん個別の事情が性別によって大きく異なることはありますが, 個人と個人だって事情が大きく異なっています.)
単に発表者の経験を話すのではなく, 聞き手も一緒に考えるよう促されるセッションで, 隣の人とのディスカッションも組み込むという工夫がされていました. 考える過程で過去のあれこれを思い出して当時の思いが掘り返されたり, ディスカッションの相手の方の発言にドキッとしたり, 充実したセッションでした.
結局, 自分の結論は次の2つのつぶやきに集約されることとなりました.
https://twitter.com/cocoatomo/status/794068846437015552
https://twitter.com/cocoatomo/status/794069830630457344
発表するのは初めてだと言ってましたが, 調査結果の分析と考察を抑制されたトーンで淡々と読み進めていて, 効果的に聞き手が考える雰囲気を作っていたように感じます. (それを意図していたかは分かりませんが.)
女性エンジニアの新しいキャリアパス~ホワイトハッカーという選択肢~
このセッションもたぶんあまり性別は関係無く,「ホワイトハッカーとして働くには」みたいな発表でした. Certified Ethical Hacker (CEH) という資格の紹介や, これからはクラッカーからの攻撃に対処するホワイトハッカーが必要だという話をされていました. これからはホワイトハッカーが重要なキャリアパスの1つとなりそうです.
後半は発表者が変わり, もう少し具体的な攻撃方法を解説したり (もちろんそれをやってしまうと犯罪になる可能性があるとの前置き有), ハニーポットを仕掛けたらどんなアクセスが来るのかという実例を紹介していました.
スポンサーLT・closing
最後に, JavaのSIを主にやっている アットウェア さん, IT研修の ハッピーコム さん, 決済プラットフォームの PayPal さんのスポンサーLT (会社紹介) があり, 懇親会の案内とスタッフ挨拶となり無事閉会となりました.
終わりに
参加者の男女比がいつもの勉強会と大きく違っていたり, スタッフが全員女性だったりして, かなりアウェイ感を感じたイベントでした. もしかして女性はいつもの勉強会でこういう感覚でいるのかなと思うと, それを経験できたのは貴重なことだったのかもしれません.
そもそも私は女性に限らず社外の人と対面で話すことが少ないので, 会話相手の多様性が低過ぎる問題があります(汗) 久し振りに会った人, Twitter越しでしか知らず初めて対面で話した人, 間接的なつながりがある人, 本当に初めましての人と出会えて人間関係が潤った気がします.
来年もぜひ参加したいので開催されることを心待ちにしております!